単純化の罠 ― 2014/12/29 12:50

相変わらず、物事を単純化して自分の都合の良い結論を導く記事が氾濫しているように雲には感じます。以下の記事では、沖縄県の辺野古への米軍基地の移転問題について、前知事の仲井真さんが認めた(沖縄県として基地移転を承認した)から現知事の翁長知事がそれを覆すのは認められない。ということを主張されています。また、米国は日米安地位協定で米軍基地を日本のどこでも設置できる権利があるので、そもそも、沖縄県知事が反対できるものではない。ということも合わせて主張されています。
しかし、前知事の仲井真さんも2010年の沖縄県知事選挙公約で日米合意の見直しと基地の県外移設を掲げて当選した知事ですので、沖縄県民の意志としては、(普天間基地の)辺野古への基地移転に賛成したという事実は無いのです。よって、前知事の仲井間さんが基地の移転を承認したからといって、これが、沖縄県としての承認とならないことは論を待たないと考えます(だからこそ、2014年の沖縄県知事選挙で前知事の仲井間さんが落選したし、同じく、2014年の衆議院選挙で沖縄の小選挙区は自民党が全敗した)。
また、日米地位協定で米軍基地を日本国内に無制限に設置できる権利を米国が有しているので、日本政府としては基地を断れない。という主張に至っては、日本は本当に独立国なのか?疑問を感じます。仮に、皇居に米軍基地を設置したい。と言われた時にも反対できないとすると、こんな条約は破棄(or 改正)した方が良いのでは?と思います。
皆さんは、こんな不平等条約に賛成しますか?
(ちなみに、日本は米国に守ってもらっているので(=安保ただ乗り論)、米軍に便宜を図るのは当然。ということを良く聞きますが、実際のところ、米国は米国の利益のために日本に基地を置いているので、日本はただ乗りしているわけではありません。また、思いやり予算という名目で米軍の娯楽・保養施設などにも日本の税金が投入されていることを合わせて考えると、安保ただ乗り論というのは、米国のことかと思ってしまいます。なお、思いやり予算は、条約に基づいたものではありませんので、米国としては日本に要求する権利はありませんし、日本は思いやり予算を組む義務はありません。そういう意味では、米軍こそゆすりの名人ではないかと思います)。
沖縄県知事は「ゆすりの名人」なの?
http://agora-web.jp/archives/1626282.html
(よくある質問)米軍基地と沖縄経済について
http://www.pref.okinawa.jp/site/kikaku/chosei/kikaku/yokuaru-beigunkichiandokinawakeizai.html
機密文書「地位協定の考え方」
http://eritokyo.jp/independent/nagano-pref/kimitsubunsho-l01.html
「ただ乗り」でない日米安保
http://tnngsg4601.blog110.fc2.com/blog-entry-206.html
ケビン・メア発言全文
http://www.peoples-plan.org/jp/modules/article/index.php?content_id=84
「プルトニウム測定器」のお粗末はもう勘弁
邦訳されない「メア沖縄発言のホンネ」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20110310/218929/?P=1
~米国に押し付けられた「思いやり予算」~
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