農業は経済性のみが重要なのか?2011/02/12 14:02

最近、まるで農業が国のお荷物。と断じているように感じる記事が目につきます。一体、いつまで続くのだろう。とうんざりしてきます。さて、農業を国の産業から抹殺しようという企みの人の理屈で以下のようなものがあります。そもそも、日本は地形的に平地が極端に少なく農業に向いていないので、農業は国外の平地でやればよい。なんなら、農業をする人を日本から移民させればよい。そうすれば、同じ日本人が作っているのだから安心でしょう。海外には、大規模農場に適した土地がいくらでもあるのだから、国内で無理して生産する必要はない。だいたい、今時、食糧安保なんて馬鹿げている。原油がなければ食料生産なんて出来ないのだから、国内で生産する意味はない。といった具合です。いくらでも反論はできるけど、一点だけ。皆さんはポストハーベストというのを知っていますか?昔、雲は学研から出版されていたUTAN(ウ-タン)という雑誌を購読していましたが、その中で、ポストハーベストの話が出ていました。ポストハーベストとは、一言で言えば農産物を収穫した後に農産物に振りかける農薬です(イメージ的には、ゴキブリ用の殺虫剤をお米に振りかけておく。といったところでしょうか?)

生のフルーツを出荷する前に行うポストハーベストの現場!

http://www.cheesemarket.jp/howto-shokuhin/22.html

例えば、アメリカではトウモロコシを収穫した後に皮を取ってコーンにしますが、そのコーンになったものに直接農薬を振りかけます。残留農薬としてどの程度の影響があるのか、考えるのも恐ろしい。さらに問題なのは、国内では禁止されている農薬が海外で使用が許可されているものがあります。もちろん、国内で禁止されている農薬が検出された場合は、輸入はできませんが日本の検疫体制はお寒い限りなので、(問題は)検出された農産物は氷山の一角に過ぎないということです。なお、輸入された全農産物の中で検疫が行われているのは、数%単位だったと思いますが、それでも、残留農薬が検出されたため輸入が出来なかったものが結構あります。

わが国における輸入農産物中の 残留農薬検出状況の推移について(国立医薬品食品衛生研究所)

http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/chemical/pest_imp-fd/pdf3/report08.pdf

農産物を海外で生産する(国内農家を潰す)ということは、こういうリスクを抱え込むことになります。もし、雲が海外の農家で日本に農産物を輸出するのであれば、競争力を高めるために危険な農薬であっても安いのなら、躊躇無く使用します(だって、安いことが求められているのでしょ?)。もちろん、国内向けには使用はしません。と言うことになった時に、食料輸入自由化賛成の人たちはどうするのでしょうね?責任を取って、安全な食料を輸入できるように努力をしてくれるのでしょうか?いや、食料輸入自由化賛成の人たちは、だいたい、お金に困っていない(つまり、食料を安く手に入れる必要がない)人たちなので、自分たちだけは、安全な食料を手に入れるための仕組みを用意するのでしょう。何度も書きますが、食料輸入自由化賛成でも良いですが、食料輸入自由化によるメリットとデメリットを明確にして議論をしてください。都合の悪いところは知らん顔。というのはフェアとは言いませんよ。

薬品漬け「健美豚」の恐ろしい副作用

中央テレビの特別番組が最大手加工企業の悪事を暴いた

http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20110329/219220/?P=1

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