ベクトルとスカラー2006/06/09 18:27

ベクトルとスカラーは、高校で代数幾何を選択した人なら覚えていると思いますが、この言葉を東芝の社長から出てくるとは思わなかった。今日、たまたま読んだ雑誌のインタビュー記事で、ベクトルだけあわせてもダメ。個々の社員のスカラー(実力)を上げないと組織としての実力が向上しない。と言うような趣旨で書かれていました。 これ、確かにその通り。最近、CMMだ、品質会計だ、見える化だ、とはやりのプロセス改善に経営層は燃えているようだけど、実際にその作業を行うことになる現場には、ほとんど、これらの施策を実行するための実力向上教育が、さっぱり用意されない。用意されないなら、用意されなくても良いけど、そうすると、導入するプロセス改善の効果は誰が評価するのかがわからない。上司にしても、結局、PIMBOK に書かれていることを言うだけだし、プロジェクトの監査では、機械的に監査シートに○×を付けるだけ。これでは、まじめに、プロセス改善に努力しても全く正当に評価されない(どのような方法が好ましいのか、上司に判断する能力が無ければ、評価できないだろう)。 これでは、好ましいプロセス改善が行われているか誰も評価できないためにプロセス改善をやってますという自己満足しか残らない。

いつから、プロセス改善は目的になったんだ?成果は、監査シートで見るのか?生産性の向上は、実現しなくても良いのか?など、いろいろと疑問が浮かぶ。目的と手段を明確化して、もっと、プロセス改善を道具として活用するために、もっと、トップはよく考えて欲しい。現場から、意見を上げても、なかなか取り上げてもらえないのは、自分のプレゼン能力の問題かもしれないけど、社内的にもプロセス改善がなかなか根付かないのは、やはりプロセス改善を導入するプロセスに課題があるとしか言いようがない。