世代間分断を目論む心は?2015/05/22 06:45

古今東西の歴史をひもとくと、国民の不満が高い国家では大抵の場合、敵を国外に求めて国民の不満をそらすことが多いです。そういう意味では、最近、世代間分断を目論む記事を良く目にするのは、何を目的としているのでしょうか?

例えば、若者が就職難なのは中高年の解雇が難しいからだ。という意見は一部では確かにその通りだと思うのですが、実際、これだけが原因であるとか、これが一番大きな要因である。と言った根拠を見たことはありません。雲的に言うと、嘘ではないがホントでもない。という意見の典型と理解しています。

問題は、何故にこういう意見を公言するのか?という意図なのですが、雲としては、より大きな課題(ここでいう課題は、若者の就職難ということではなくて、社会的な課題)を隠すための煙幕だと思っています。

日本は、まだそれほど顕著ではありませんが、それでも所得格差は拡大しており、マクドナルドの前会長の原田氏の退職金は一億七千万円と報道されています。一億七千万円と言えば、一人の生涯所得と同等かそれ以上ですが、退職金として支払う正当性はあるのでしょうか?ワークシェアリングではないですが、賃金シェアリングとして退職金を従業員でシェアした方が、日本全体の経済効果という意味では良いと雲は思っています。

いずれにしても、こういった富の格差は(明らかに)是正されるべきだと思いますが、残念ながら、中高年の既得権益うんぬんということに紛れてしまっていて結果的に富の不平等というより大きな課題が隠されてしまっていることに雲は不安を覚えます。

「所得不平等」は米経済に悪影響、資本主義の本丸・ウォール街からも弊害を指摘する声

http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20141028/421971/?rt=nocnt

ピケティ『21世紀の資本論』はなぜ論争を呼んでいるのか

http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20140519/397924/

アメリカの「スーパーリッチ」が世界の所得格差を拡大させる 0.1%の最富裕層が世界の富を独占

http://www.huffingtonpost.jp/2014/05/03/super-rich_n_5260898.html