規制緩和と安全管理2016/01/23 13:14

軽井沢のスキーツアーバス事故については、いろいろなところで調査が進んでいますが、やはり、2000年の規制緩和(森政権)がひとつのターニングポイントだったと思います。この規制緩和によってバス業界への参入が免許制から許可制へと変わり、それに伴って、事業者数は増え営業収入は減るというトレンドが起こっています。結果、若い人ほど居着かず、教育もおろそかになり、安全性が犠牲になったというのが事故の背景にあるのではないかと雲は思います。

市場原理主義者の視点から見ると、規制緩和によって競争原理が働いて料金が下がり消費者の利益になっている。また、安全面で問題のある企業は(今回のような事故をきっかけに)市場から淘汰されるので結果として安全性は高まるはずである(事故を起こせば廃業もあり得るのだから、安全対策をおろそかにするはずはない)。ということなのかもしれません。仮に、市場原理主義者の考え方が雲の想像通りだとするとあまりにも現実離れした思想に聞こえます(市場原理主義が『志の高い』思想なんて逆立ちしたって思えない)。

※一応、念のために補足しておきますが、規制緩和が全て悪と言っている訳ではありません。規制緩和が必要なところも必要でないところもあるだろうし、規制緩和も時代背景で善悪の判断が変わるところもあると思っています。

言いたいことは、市場原理主義がいつも正しい。とか、規制緩和がどんなときも正義である。と言うようなことはない。ということです。そういう意味で、自分の頭で(誤解や思いこみや思いつきではなく)各事例ごとに(現実ベースで善悪や影響などを)考える必要があると思っています。

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